(2021年9月9日追記)
今回も前回に引き続き、公務員試験の論作文の対策についてです。
では早速行きましょう。
2、例文を作っておく
前回、論作文のテーマは大きく3つあるという話をしました。
「なるほどそうか(‘◇’)ゞ」
だけで終わってしまっては意味がありません。
この3つのテーマについて自分なりの論作文を作っておきます。
ちなみに3つのテーマはこちらです。
①自分のことに関して
②自治体のことに関して
③時事について
所謂”カンペ”を作るわけです。
事前に、私自身も3つのテーマのそれぞれで論作文を作っておきました。
これは、きっちりしたものではなく、「こう聞かれたらこう答えよう」というレベルで問題ありません。
でも、字数だけは正確に作っていました。
私の中で論作文とは、公務員試験時に考えて書くのではなく、事前に準備して書くものだと思っています。
これはどの論作文についても言えることだと思います。
論作文は、「自分の頭の中にある考えや知識を文字にします」
試験時間中に悩むものではないのです。
その証拠に、様々な自治体では、過去に実施された論作文のテーマをHP上に公表しています。
これを使わない手はありません。
例えば、過去3年分の論作文のテーマがHPに公表しているのであれば、その3年分の共通点を探します。
例として、北海道の公務員試験を見てみます。
分かりやすく一般行政のテーマをピックアップします。
平成29年
道では、平成29年度重点政策において、「インバウンドの加速化による『稼ぐ観光』の確立」を掲げています。
外国人観光客の受入体制を充実させ、国際的に質の高い観光地とするために、道としてどのような取組が必要か、あなたの考える具体的な取組とその理由について書きなさい。
平成28年
本道では、新しい総合計画(H28.3月策定)において、7つの将来像の1つとして「地域全体で支える『子育て環境・最適地』」を掲げています。
希望する方が安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めるために、道としてどのような取組が必要か、あなたが考える具体的な取組とその理由について書きなさい。
平成27年
北海道に住む私たちは、豊かな自然の恩恵を受けて生活している一方、時として自然の猛威にさらされることがあり、危機管理の面からも防災の取組が重要となっている。
このような中、防災の取組を推進するために、道として解決すべき課題を述べるとともに、道の財政状況を踏まえ、優先して取り組むべきことについて、あなたの考えを述べなさい。
参考:過去の論文試験課題
このようなテーマの場合、②自治体のことに関して ③時事について
をしっかり調べ、事前に作っておくことが求められます。
そしてこの北海道の論作文テーマは「難しい部類」に入ります。
事前に準備していないと返り討ちにあうレベルです。
北海道の課題や今後の取り組み、将来の可能性を自分の目線で考えておく必要があります。
とても時間がかかるのが分かりますね。
ステップとしては、
①北海道の現状や課題、今後の取り組みなどについて調べる
②様々な情報から、自分の考えをまとめる
③実際に書き出してみる
といった流れを経て、ようやく論作文のひな形が完成します。
これを一次試験対策と並行して行わないといけないと考えると恐ろしいですね。
でも、どのみち志望動機を考える際にやらないといけないことなので、勉強の合間や通勤、通学時間に調べておくことを強くおススメします。
私は、ネットで調べた色々なサイトを逐一ブックマークしておき、後からすぐに見られるようにしていました。
こういった調べ物は、1日2日で終わりません。
というより、「1週間前と今日の考えが違う」
なんてこともザラにあります。
どういうことかと言うと、1週間もあれば新しい情報を入手し、自分の考えがアップデートされるのです。
テレビのニュース、ドキュメンタリー、それこそTwitterやインスタグラムなどのSNSでも情報に触れられます。
私たちの言う「自分の考え」とは、自分の中から生まれたもの(ゼロから1になったもの)ではなく、他人との接点によって作られるものなのです。
「この人良いこと言うな~」が自分の考えの源になるのです。
なので、1日にかける時間は短くても良いので、長い期間行った方が精度の高い情報をまとめることができます。
1日論中時間をかけて論作文の対策をしても、良いものは絶対出来上がりません。
それくらいなら、1週間で1日30分~1時間ずつ対策をした方がよほど良いものが出来上がります。
あと、「二次試験の対策は一次試験に合格してからで良い」
という人が結構多いのですが、かなり危ないと思います。
そんなに甘い試験ではないです。
筆記試験と違い人物試験は赤の他人から評価されます。
つまり、自分が正しいと思っていることを一生懸命に相手に伝えても理解してくれないかもしれません。
自分の強みを伝えても、相手に響かない可能性も大いにあります。
なので私の場合、二次試験の対策は4月から行っていました。
つまり、一次試験の教養試験対策と並行して対策を行っています。
全員がこのように対策しているわけではないと思いますが、一次試験の合格発表から次の試験が行われるまでの期間は1週間から10日ほどです。
この短い期間に、上で書いたようなことが全てできますか?
私は絶対に無理だと思ったので、教養試験の対策と並行して行いました。
前職では論作文を添削もしていましたが、準備期間が短い論作文は、私でも読めばわかります。
何も調べていない状態で論作文を書いていることがよく分かります。
どこの自治体にも出せる抽象的な内容で構成されていることが多いです。
論作文の力がどうこうではなく、そもそも土俵にすら立っていないレベルですね。
その場合は、「〇〇と▽▽を調べて、自分の考えを持ってから書き直してきて」としかアドバイスができません。
当たり前のことですが、二次試験の対策にかける時間は人によって様々です。
私より長く、半年以上時間をかけて対策する人もいれば、何も考えずに人物試験を受ける人もいます。
厳しい言い方になりますが、試験を受ける以上、みんなが合格をするために対策をします。
その対策にかかる時間は人それぞれです。
高校生時代に必死に勉強して有名大学に入った学生は、公務員試験の勉強は不要かもしれません。
論作文を書くのがものすごく得意という人は、対策をしなくても合格するかもしれません。
コミュニケーション能力が抜群に高い人は、面接の練習をしなくても合格するかもしれません。
ただ、私が今まで見てきた中でこのレベルに達していた人は、300人いて1人いるかいないかです。
現役の大学生ではまず見たことがありません。
素の状態だと、みんな「大したことのないレベル」です。
私もその一人でした。
だから、合格するためにできうる限りのことを行ったのです。
ほぼ全員がしっかり対策をしないといけないのが人物試験だと思っています。
次回もまた、論作文についてお伝えしていきます。